プレシオサとは

PRECIOSA(プレシオサ)の語源は、ラテン語の形容詞 Preciosusの女性形に由来し、「希少な、例外的な、高貴な」の意味を持ちます。

歴史的背景

14世紀ころ、ボヘミア北部の深い森に小さなガラス工房が点在していました。主に教会用のステンドグラスを製造していましたが、いずれも父子相伝で技を引き継いでいたためガラス工芸の発展は遅々として進みませんでした。その後、徐々に文化的な発展を遂げたプラハでは、ヴェネツィアン・グラスの影響を受けつつもボヘミアン・グラスの礎が形作られていきました。17世紀になって神聖ローマ帝国・皇帝ルドルフ2世の手厚い擁護を受けてボヘミアン・グラスは盛んになり、多くのガラス製造技術が創出されました。

18世紀以降、ヨーロッパのガラス産業の中心地となり、流通網が整備されると世界各国に輸出され、ボヘミア・クリスタルとして知られるようになりました。

この頃、クリスタルシャンデリアの製造工場が設立され、ヴェルサイユ宮殿やオスマン帝国、ロシア帝国などに納品されています。

ボヘミアン・グラスの特徴はカットとエングレーピング(浮彫加工)にあります。豊かな森から得られるカリ(ソーダ灰)を含んだ硬度の高いカリガラスを用いることでこの加工が可能となりました。この点が吹きガラス中心のヴェネツィアン・グラスと大きく異なります。

プレシオサ社の沿革

第2次世界大戦下、ボヘミアのガラス産業は低迷しましたが、戦後の1948年に社会主義国家チェコスロバキア(当時)の都市ヤブロネツ、リベレツ、トゥルノフにある大小25の企業と工場が国営企業PRECIOSAとして統一されました。1990年に民営化され、業務の近代化が進みました。その後も照明メーカー、高級ジュエリーブランドなどを次々と吸収していき、現在グループ会社7社と5000名以上の従業員を要する企業に成長しています。

 

クリスタルバレー

プレシオサでは、歴史的にクリスタル製造を培ってきたボヘミア北部をクリスタルバレーと称してその自然環境と伝統に感謝して地域との密接な関係を築いています。1993年には非営利団体PRECIOSA Foundationを同地に設立し、科学、研究、専門的なトレーニングの学習・人材開発を支援しています。

ラインストーンの進化史

※プレシオサでは、ラインストーンのことをカットストーンと呼んでいますがここでは日本国内で一般化しているラインストーンをあてます。

ダイヤモンドの輝きをガラスで再現できないだろうか? こんな素朴な要望が、ラインストーンの発明を後押しし、コスチュームジュエリーを生み出し、今日のファッションの原動力となりました。その歴史を振り返ってみましょう。

〈1715年〉
フィッシャー兄弟によりトゥルノフ地域にガラスの着色技術がもたらされました。これを契機にストーンカッターギルドが設立され、ラインストーンの製法特許が取得されました。この製法で作られるラインストーンをチャトンと命名。この華麗で小さなボヘミアのラインストーンは、すぐさま前例のない人気を博し、18世紀の終わりまでにヨーロッパ市場を席巻します。全世界が知っているラインストーンは、300年以上前にこのように作成されたこのチャトンが皮切りになっています。

〈1730年〉
宝飾工芸家ストラスは、ガラスに高い鉛含有率を加えて屈折率を高め、さらにビスマスとタリウムの金属箔をラインストーンの底に蒸着させ、これまでにない美しい輝きを放つラインストーンを発明しました。たちまち貴族の間で人気となり、「ピエール・ド・ストラス」と名付けれました。後にクリスタルバレーでも作られ始めています。

〈1750年〉
ボヘミアン・ラインストーンの創設者であるフィッシャー兄弟は、ラインストーン製造プロセスを簡素化します。小さな金型が入った木製のトングを使って、溶けたガラスの短いロッドを押し始めます。得られた半製品は、最終的なファセット(切り口)形状に研磨されました。

〈1829年〉
プラハで最初の近代産業展示会が開催され、フランツ・リーデルが出品したカットクリスタルのガラス細工と宝石のようなシャンデリアペンダントに人々は驚嘆しました。その後、リーデルの工場は、クリスタルバレーで最も急速に成長したガラス工場となりました。

〈1878年〉
パリ万国博覧会では、ダイヤモンドジュエリーストーンという新製品の需要が高まっていました。クリスタルバレーのガラスメーカーは、ラインストーンの底(フォイル層)に「シルバーミラー」を備えたガラスコンポーネントを作成することで、この需要にすばやく応えました。この鏡に光が反射し、ラインストーンが自ら光り輝いたかのように見えました。

〈1898年〉
ボヘミアンのガラスメーカーは、クリスタルコンポーネントを金属製のジュエリーカップに固定するという、新たな革新をもたらしました。ヨーゼフとマックスイェーガーは、ヤブロネツナ・ド・ニソウで見つけた金属細工、ゲブリューダー・イェーガーからこの新しい技術革新を世界に伝えました。現在、このビルは当社のひとつであるプレシオサビューティーの本社であり、このようにして作られたジュエリーを世界の隅々に輸出し続けています。

〈1908年〉
ゲブリューダー・イェーガーはさらに別の技術革新を行い、クリスタル産業界にイノベーションをもたらしました。それはマシン・カットされたジュエリーストーンの誕生です。このラインストーンは「チャトン」と呼ばれ、現在の製法とほぼ同じ製法で作られました。イェーガー兄弟は独自の切断および研磨機の設計を開発することで、ラインストーンの製造が劇的に迅速かつ安価になりました。この技術革新によってラインストーンは、きらめくジュエリーや刺繍の形で、より多くの若い女性やマダム達に愛用されるようになりました。大量生産されたラインストーンは扱いやすくなり、多くのジュエリーメーカーに新たなインスピレーションを与え、ラインストーンの新しいデザインと新しい用途が次々と生み出され、大きなブームを引き起こしました。

〈1999年〉
プレシオサ(PRECIOSA)は長年にわたってラインストーンの生産を改善し続け、ついに新製品であるキュービックジルコニア(人造ダイヤモンド)をそのラインナップに追加しました。PRECIOSA Fine Jewelry Stones and Gemsは、モス硬度9(天然ダイヤモンドは硬度10)、屈折率2.28(ダイヤモンドは2.4)です。このキュービックジルコニアは、ダイヤモンドと同じように56 + 1ファセットでカットしています!

脱鉛・重金属 環境に優しい技術革新

長い歴史をもつボヘミアングラスですが、その輝きのために鉛を多く含有する必要がありました。しかし、鉛は人体への毒性があり、環境に排出される懸念がありました。

2013年 プレシオサ(PRECIOSA)は、鉛をほとんど含有しないクリスタルの開発に成功しています。鉛フリーによることで環境への毒性の排出をなくすことに成功し、環境に優しい企業になっています。

この鉛フリークリスタルは、並外れた輝きで、品質と環境認証において最高の国際基準を満たしています。

この革新的なクリスタルは、MAXIMAと名付けられています。

その信じられないほどの輝きは、正確にカットされた15ファセット(切断面)を通過する光によって生み出され、その光学的な美しい特性は、魔法のようにきらびやかなクリスタルガラスの世界にあっても他に類を見ません。

当デコダリアでもこの「MAXIMA(上位ランク)」を中心にプレシオサ(PRECIOSA)のラインストーンを販売します。

VIVAシリーズは12面カットですが、MAXIMAはss5からss20サイズは15面カット、ss30以上は18面カットとより輝きを増すカット数です。

デコダリアでの取扱いアイテム

フラットバック(FB)ストーン
… ss2からss30サイズ 43811612 / 43811615 / 43811618(※カラーによって該当サイズが無い場合もあります。)

フラットバックストーン(FB)のその他の形状

HOTFIXストーン
… ss2からss30サイズ 43811612 / 43811615 / 43811618(※カラーによって該当サイズが無い場合もあります。)

HOTFIXストーンのその他の形状

ファンシーストーン

ソーオン

チャトン
… pp11 / pp18 / pp24 / ss29

カラーチャート

スワロフスキーとの比較

プレシオサは、

・フラットバックストーンでss2サイズが製造されています。
・極小サイズはスワロフスキーが8面カットだったのに対しプレシオサは12面カット

のため輝きは強いです。

個性的なカラーが多いです。
年2回の新色が発売されています。
・裏面のフォイルの耐久性が優れています。

スワロフスキーとプレシオサの比較(クリスタルss20サイズ)